旅の楽しみといえば、なんといっても食事ですよね。
インド旅行は「毎日カレー」のイメージが強いんじゃないでしょうか。
確かに、インドの食事は基本的にカレーが中心になります。
とはいえ、カレー以外に美味しい料理はたくさんあるし、コツが分かれば様々な種類の料理を楽しめるようになりますよ。
ここではインド料理の基本から、定番のメニュー、レストランでの注文方法、食事のマナーまで、インド旅行で知っておきたい料理の知識を紹介します。
これを読めば、食事が楽しくなること間違いなし!
インド料理の基礎知識
まずは、旅行者が知っておきたいインド料理の基礎知識をお話しますね。
インド料理はマサーラ料理といって、香辛料を混ぜたスパイス料理が中心。
マサーラ文化を知っておくと、インド人特有の食文化が見えてきます。
基本は毎日カレー
インドでの食事は基本的に毎日カレーです。
しかしインド人の「カレー」は、日本人が考える「カレー」とちょっと違います。
日本人はカレーを「オムライス」や「ハンバーグ」のような料理の品として捉えていますが、インド人にとってカレーはいわば「煮物」のように料理の概念なんです。
砂糖としょう油で煮込めばどんな食材も「煮物」になるように、香辛料で味をつければどんな食材も「カレー」になります。
だから、日本人が煮物を毎日食べても飽きないように、インド人は毎日カレーを食べても飽きないのです。
インド料理は全てカレーに見えても、一品一品は違う種類の料理なんですね。
カレーの味と辛さ
インドのカレーは日本のようにドロッとしたコクはありません。
スープカレーのようにサラッとしていて、香辛料の味が強いです。
辛さは日本の辛口以上のものが多いです。中辛や甘口レベルのものはほとんどありません。
カレーごとに味は違うのですが、日本人には辛さが勝って味の見分けがつきにくいんじゃないでしょうか。
ただ、ナンやライスと非常に馴染むので、慣れるとこの旨さがクセになります。
主食はナンかチャパティ
インド人にとって米やパンなどの主食にあたるのが、ナンやチャパティです。
日本のインド料理店ではナンがよく出てきますが、現地ではナンはわりと高級品で、チャパティの方がメジャーです。
チャパティとは小麦粉で練ったナンより薄いパンのこと。庶民的なレストランにはたいてい置いてあります。
これらナンやチャパティなどの主食を総称してロティ(Roti)と呼びます。
ロティには他にもパイ生地のようなパラタ(Paratha)や、油で揚げて膨らませたプーリー(Puri)などがあります。
インドの米「インディカ米」
インドでは普通の白いご飯も注文できます。値段は60ルピー(108円)ほど。
日本のもちもちしたご飯ではなく、出てくるのは細長いビーフンのようなインディカ米です。
タイ米のようにパサパサしていますが、カレーの汁気とは非常によく合います。
「ベジタリアン」と「ノンベジタリアン」
インドでは宗教上の理由で肉を食べないベジタリアン(菜食主義者)がたくさんいます。
そのため、インド料理はベジタリアン向けの「ベジ」とノンベジタリアン向けの「ノンベジ」が明確に区分されています。
レストランのメニューや食品のパッケージには、ベジかノンベジかを表す日の丸マークが書かれていますよ。
このように、緑がベジタリアン向けの肉が入っていないメニュー、赤がノンベジタリアン向けの肉の入ったメニューになります。
野菜を食べたいときはベジタリアン向け、肉を食べたいときはノンベジタリアン向けを選ぶといいでしょう。
ちなみにヒンドゥー教では牛を食べることが禁止されています
また、イスラム教では豚が不浄な動物とされているので、インドでは牛肉や豚肉を食べることはほぼありません。
インド料理で使われる肉はマトンかチキンがほとんどです。
カレーに飽きたときは
インド旅行で朝・昼・晩とカレーを食べているとさすがに飽きてくるでしょう。
インドにも日本料理の店もありますが、値段は高め。
手っ取り早く食べたいときは中華料理を選ぶといいです。
たいていのレストランにはメニューに中華料理のコーナーがあり、焼き飯(Fried Rice)や焼きそば(Chowmein)などがあります。
ただし、味はかなりインド風にアレンジされています。
日本と同じような味は期待できないので注意してください。
マクドナルドやスタバもある
デリーやムンバイなどの大都市にはマクドナルドやスターバックスもあります。
外資系では他にもサブウェイ、ケンタッキー、ドミノピザなどを見つけることができます。
マクドナルドのマハラジャバーガー(日本でのビッグマックのようなもの)が、単体で225ルピー(約405円)。
値段はちょっと高めですが、裕福な客が中心なので店内は清潔で快適です。
インドの喧騒に疲れたときは利用するといいでしょう。
ただし、店内のフリーWiFiはインドの電話番号がないとつながりません。
インターネット目的で使うなら、別の接続方法を用意しておいた方がいいでしょう。
絶対食べたい!インドの定番料理
インドに行ったら絶対に食べておきたい定番のインド料理を紹介します。
現地で食べるインド料理は、日本で食べるものとちょっと違います。
味の違いと合わせて値段の相場も教えますね。
カレー
インドでは様々な種類のカレーを食べることができます。
チキン・マトン・キーマといった肉系から、ジャガイモ・豆・オクラといったベジタリアン向けまで。
インドに来たからには、本場のカレーを味わいつくしましょう。
具材にもよりますが、値段は150~200ルピー(約270~360円)ぐらいが相場です。
ナン
インドのナンは日本のように大きくてふっくらしたものとは違います。
薄く小分けされており、焦げ目がしっかり入っているのが特徴。
バターナンやガーリックナンなど、いろんな種類を楽しめます。
値段は30~50ルピー(54~90円)ほどで、庶民的なレストランにはあまり置いていません。
インド人にとってナンは高級品で、現地ではチャパティの方がよく食べられています。
チャパティ
チャパティは小麦粉をクレープのように薄く伸ばしたもの。
たいていの店に置いていて、庶民の味としてナンより手軽に食べることができます。
チャパティとダール(豆のスープ)があれば、それだけで簡単な食事として成立しますよ。
パラタ
パラタはバターを塗った生地をパイ風に織り込んで焼いたもの。
もっちりとしてお好み焼きのような食感があります。
ジャガイモやホウレンソウが入ったパラタもあります。
プーリー
ナンやチャパティなどは通常、鉄板やタンドール窯で焼くのですが、焼かずに油で揚げたものがプーリーです。
ふっくらとした味わいで、朝食でよく出てきます。
パパド
パパドは豆から作った薄焼きのおせんべい。別名パパル(Papar)と言います。
主食にはなりませんが、おつまみ感覚で食べられます。カレーにつけて食べればSo Good!
ダール
ダールは豆のスープ。
値段は80ルピー(約144円)ほどで、インドでは味噌汁のようによく飲まれています。
カレー風味ですがそんなに辛くありません。
サモサ
サモサは、ジャガイモを小麦粉の皮でくるんで揚げた三角形のスナック。
値段は15ルピー(27円)ほどで、屋台などいろんなところで売られています。
中身はピリッと香辛料が効いて、意外と辛いかも。
パコラ
パコラは、スライスした野菜に衣をつけて揚げたインド風の天ぷら。
玉ねぎやカリフラワーなどの野菜だけでなく、チキンが入ったパコラなどいろんな種類があります。
タンドリーチキン
タンドリーチキンは、骨付きチキンをヨーグルトとスパイスをつけて焼いたもの。タンドリー窯で焼くタンドリー料理の一つです。
値段は5ピースで150ルピー(約270円)ほど。
骨なしの一口肉を焼いたものはチキンティッカ(Chicken Tikka)と言います。
チャイ
チャイはインドの国民的なミルクティー。屋台や駅のスタンドなどいたるところで飲めます。
おちょこのような陶器に入れられていて、一杯10ルピー(約18円)ほど。
最初からミルクと砂糖が入ったものがほとんどで、スパイスの入ったものはマサラ・チャイと言います。
ラッシー
ラッシーはヨーグルトから作った飲み物で、レストランや屋台で飲むことができます。
日本のラッシーは砂糖が入っているのが一般的ですが、インドでは砂糖か塩かを選びます。
日本のものよりヨーグルト感が強く、「飲む」というより「食べる」という感じです。
パイナップルなどフルーツの入ったラッシーを売る専門のラッシーショップもあります。
インドのお酒
インドでお酒を飲める場所は非常に少ないです。
イスラム教ではお酒が禁じられており、ヒンドゥー教でもお酒はよくないものとされているので、街中のレストランにはほとんど置いてません。
飲めるのは高級ホテルのレストランや、外国人向けのレストランに限られます。
インドでポピュラーなビールはキングフィッシャー。
大瓶1本200ルピー(約360円)と、物価のわりに高めです。
ビール以外ではラム酒が有名で、オールドモンクはお土産として人気があります。
メニューの見方と注文方法
インドのレストランにはだいたい英語メニューが置いてあります。
英語が苦手でも、法則さえつかめば把握は簡単です。
ここを読めば食べたい料理を注文できるようになりますよ。
では、下のメニューを例にして解説していきますね。
まず、主菜はすべてカレーだと思っておいてください。
メニューに書いてあるのは材料の名前です。
マトン(Mutton)と書いてあればマトンのカレーだし、パニール(Paneer)とあればパニール(チーズ)入りのカレーになります。
で、具材はベジとノンベジに分かれているので、肉か野菜か食べたいものを選ぶといいでしょう。
主な具材は以下の通りです。
アールー(Aaloo) | ジャガイモ |
---|---|
マタル(Matar) | グリーンピース |
ビンディー(Bhindi) | オクラ |
パニール(Paneer) | チーズ |
チキン(Chicken) | 鶏肉 |
マトン(Mutton) | 羊肉 |
キーマ(Keema) | ひき肉 |
サイズはFullとHalfがあり、Halfで1人前です。
ひとり旅ならHalfで十分ですね。
カレーを選んだらナンやチャパティなどのロティ(Roti)をセットにして頼みます。米(Rice)でもOK。
さらにダール(Dal)と呼ばれる豆のスープと、ライタ(Raita)などのサラダを好みで加えたら完成です。
カレー以外を食べたいときは軽食・中華・ティッカあたりから選びます。
軽食 | サモサ(Samosa)やパコラ(Pakora)などのスナック |
---|---|
中華(Chinese) | 焼き飯(Fried Rice)や焼きそば(Chowmein)などの中華料理 |
ティッカ(Tikka) | チキンなどの一口肉(魚)の詰め合わせ |
これらは単品でも軽いランチとして十分機能します。
単品で頼むのが面倒なら、ターリー(Thali)という定食を選ぶとラクチンです。
ターリーは数種類のおかずと米やチャパティがセットになった定食で、よく分からないときはとりあえずこれを頼んでおけば間違いないです。
カレー、ヨーグルト、スープなどがセットになっていて、値段も250ルピー(約450円)程度とお手ごろ。
こんなふうに、たいていのレストランのメニューに載ってますよ。
ターリーは南インドではミールス(Meals)とも呼ばれています。
1人でもたくさんの種類のおかずを味わえるターリーは、ひとり旅の強い味方です。
食事のマナーと注意点
インド人は手を使って食事をするのが一般的です。
左手は不浄のものとされており、使うのはタブー。右手だけを使って食べるのがマナーです。
ご飯にカレーをつけて食べるときも、右手でくるくると丸めて口に運びます。
とはいえ、旅行者が手を使って食べる機会は思ってるよりも少ないでしょう。
ガイドブックに載っているようなレストランでは、たいていスプーンやフォークが置いてあります。
もし不安なら携帯用のスプーンやフォークを持っておくと安心です。
どちらかというと、ナンやチャパティで手がギトギトになるのを注意しておいた方がいいでしょう。
食事のときにウェットティッシュは必需品ですよ。
安い食堂では店の入口に洗い場があるので、汚れた手はそこで洗いましょう。
食事前もウエットティッシュなどで手を拭いておくと、下痢や食中毒を防げます。
インドでは食事が原因でお腹を壊す人が多いので、こういった衛生面にも注意してください。
ここまで予習しておけば、インドでの食事はカンペキです。
料理の種類やマナーを知っておけば、食事が何倍も楽しくなりますよ。
美味しいものをいっぱい食べて、旅のグルメを満喫してくださいね!
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