ガンジス川

ナマステー、かずとんです。

インド旅行記2日目です。今日はデリーからヒンドゥー教の聖地バラナシへ向かいます。

僕がインドへ行きたかったのは、このバラナシでガンジス川を見たいからでした。

20年以上前になるかな。長渕剛の「ガンジス」を聴いてから、死ぬまでに一度はこの河を見ておきたいなぁと思っていたんです。

バラナシには火葬場があり、そこでヒンドゥー教徒は焼かれてガンジス川に流されます。

僕はこの火葬場を自分の目で見ておきたかったのです。

「焼かれる人を見て、僕は何を感じるのだろう?」

生きることとは何か?死ぬこととは何か?

そういった答えがそこにはありそうな気がしてたんですね。

ガンジス川を見て、自分の死生観とかいろんな考えを深めたかったんです。

そんな僕がバラナシで見たのは「まさにインド!」というような、聖と俗が入り混じったカオスな世界でした。

では、インド旅行記2日目、いってみましょう!

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デリーから国内線で聖地バラナシへ移動

昨日の夜に着いたばかりのデリーですが、朝一番で空港へ向かいます。

国内線だから手早くチェックインできるかと思いきや、インディラ・ガンディー国際空港は大混雑。

空港の入り口に入るのにもパスポートチェックがいるため、長い列ができていました。

空港のチェックインで注意しておきたいのは、手荷物にカウンターでもらえるタグをつけておくというルール。

手荷物検査を受けたらこのタグにはんこが押されます。

そのはんこがあるかを搭乗口でチェックされるんです。

タグ

タグがないと手荷物検査まで戻されるので、注意が必要です。

国内線も国際線も出発の際は必ず必要。インド独特のルールなので、知っておいてくださいね。

インドからの出国手続き 帰国時に空港でできること

デリーからバラナシへはエア・インディアで約1時間20分のフライトです。

あっという間ですが、ちゃんと機内食も出てきました。

国内線の機内食

さすが国内線、完全なインド仕様です。どんな味なのか、形からはまったく想像ができません(笑)。

食べてみると、国際線に比べて辛いです。

サモサですかね。芋か小麦かよくわかりませんが、中からしっかりと香辛料の香りが飛び出してきました。

うん、インドに来た~!という味です。

エアインディアの評判は良い?悪い?機内食や機内サービスの感想

そうこうしているうちに、飛行機はバラナシに到着しました。

デリーと比べると、すっごい田舎の空港です。

バラナシの空港

ここでバラナシのドライバーと合流。ドライバーの車でホテルへと向かいました。

空港から市内までの道では、いよいよインドならではの風景を目の当たりにしました。

工事をしてるのか途中でやめてしまったのか、舗装しきれていないボッコボコの道路。

ひっきりなしにクラクションを鳴らしながら、カーチェイスのように飛ばす車。

そんな超危険な道路を悠々と横断する野良牛たち。

↓道路はボッコボコです。

道路

↓いたるところに牛たちが。

牛

↓道路に牛が突進してくるのがわかります。

アジアってどこの国も似たような景色が広がるものなんですが、インドだけは別格ですね。

秩序がないというか、人間も動物も無法地帯な景色が広がっていましたね。

バラナシ市内へ近づくにつれ、交通量も多くなり、混乱に拍車がかかった感じになってきました。

人も多く、とにかく車のクラクションがすごいのです。もう耳がおかしくなりそう。

バラナシ市内

1時間ほどでホテルに到着しましたが、運転が荒くてヒヤヒヤする場面も多々ありました。

ひとまずチェックインして、ドライバーさんとはお別れです。

いやはや。これはすごいところに来てしまったぞ~。

バラナシの観光ガイド!行き方・ツアー・おすすめスポット【完全版】

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サイクルリキシャでガンジス川を目指す

少しホテルで休憩したあと、いよいよガンジス川に向かうことにしました。

出ていこうとすると、ホテルの外にいたポーターさんらしき人に呼び止められたんですね。

ポーターポーター

ガンジス川に行くつもりかい?

僕

ええ、まあ

ポーターポーター

それならリキシャを呼んであげるからちょっと待ってて!

あれよあれよと手配されてしまいました。

うーん、自分で行くつもりだったんだけどなぁ。ま、リキシャーマンとの交渉も面倒だし、最初は任せてみようかな。

着いたばかりで右も左もわからない僕は、ひとまずこの話に乗っかることにしました。

インドではタクシーよりもリキシャという交通手段が一般的で、バラナシでは自転車タイプのサイクルリキシャが多いんです。

サイクルリキシャ

リキシャに乗るときは、リキシャーマン(運転手)と事前に値段交渉してから乗ります。

僕

ガンジス川に行きたいんだけど、いくら?

リキシャーマンリキシャーマン

オーケー、オーケー。ノープロブレム

あれ?手配されたから料金はいらないのかな?

「ホテルの人が交渉してくれたんだろうか?」と思った僕は、そのままリキシャに乗り込みました。

(これが間違いだったと、あとで気づくことになるんですが・・・)

インドのリキシャの乗り方、料金相場、ぼったくられない交渉術

リキシャーマンは細い足でペダルをこぎながら、ガタガタの道を進んでいきます。

周りを見渡せばあふれんばかりの人混み。鳴り交うクラクション。車。バイク。犬。牛。牛。

インドに来たばかりだった僕は、正直ちょっと恐怖を覚えました。

「とんでもないとこに来てしまった!この中で8日間も過ごすのか~、ひぃ~(>_<)」

だって、リキシャから見たバラナシの街って、こんな感じですからね。

もう、ぐちゃぐちゃ(笑)。

しかし、とりあえずガンジス川を拝まなくては。こんなところでへこたれるわけにはいきません!

リキシャから降りた僕は、リキシャーマンに案内されてガンジス川のほとりへ向かいました。

川岸へと近づくと、見えてきましたよ。ガンジス川が。

ガンジス川

広ーーーーーーい!!!

悠久の大河とは、まさにこのこと。淀川(大阪)の比じゃありません(笑)。

緩やかに流れるとっても優しい川。この感動は、実物を見ないと分からないでしょう。

向こう岸にはもやがかかっていて、まるで来世のようにも思えてきます。

ガンジス川の向こう岸

ついにガンジス川にやってきたぞーー!

長年の夢を果たすことができました。

ガンジス川

感慨に浸っていると、先ほどのリキシャーマンが話しかけてきます。

リキシャーマンリキシャーマン

これからどうするの?ボートに乗らない?みんなボートに乗るよ

僕

いや、ボートはいらないし。自分で歩きたいからとりあえず精算したいんだけど

リキシャーマンリキシャーマン

いやいや、お金はノープロブレム。じゃあ帰りも送ってあげるからね。何時に帰るつもり?

ウザいなと思ったんですが、あの喧騒の中を帰るのも怖かったので、待ち合わせ時間を決めてひとまず離れてもらうことにしました。

「さぁ、リキシャーマンも離れたことだし、一人でゆっくりと散歩しようかなー」と思ったら、次々に話しかけてくるんですよ、周りのインド人が。

「ハロー!日本人?どこから来たの?」
「ボートに乗らない?」
「火葬場はあっちだよ」
「これ買わない?」
「僕が案内してあげるよ」

しかも、ただ声をかけるだけではなく、めっちゃしつこくついてきます。

話しかけてくるインド人

ギャー!これが噂に聞いていたインド人のウザい勧誘かー!

一歩歩くごとに絡んでくるから、うっとうしいったらありゃしない。

インドの治安ってどう?危険な目に遭わないためにすべきこと

そして、それを気にもとめず牛たちはウ○コをしてます(笑)。

あちこちに落ちている牛のウ○コにも注意しないといけから、一時も気を抜けないんですよ。

牛

とにかく、ガンジス川の散歩はインド人の勧誘と牛のウ○コを避けるのに必死でした。

インドで野良牛・野良犬に会ったときに注意すべきこと

ガンジス川の川岸を散歩してみた

インド人の勧誘攻撃を無視しながら、僕はガンジス川を南へ歩いていくことにしました。

中心地から離れると、話しかけてくるインド人も少なくなり、ゆったり散歩することができした。

川岸では子供たちが凧あげしていたり、若者たちがたむろっていたりします。

↓ガンジス川の川岸を散歩してみた

花を売っている身寄りのない子供。

片手がない物乞いの老人。

死んだ目をしたまま歩く野良牛。

おそらく繊細な人なら、あまりに過酷な光景にショックを受けるんじゃないでしょうか。

日本とはかけ離れた現実がここにはあります。

インド旅行で物乞いに遭ったときの対応方法と感じ方

しかしガンジス川を見ていると、それすらも飲み込んでいく寛大さというか、雄大さがありました。

ガンジス川

矛盾も混沌もすべて飲み込み、ガンジス川はただゆったりと流れていくだけです。

ガンジス川の川岸にはガートと呼ばれる階段状の足場があります。

バラナシには84のガートがあり、現地の人が洗濯したり沐浴したりしています。

沐浴

さすがに僕は沐浴はしませんでしたが、川の水に手だけは浸しておきました。

水は濁っているけど、沐浴は「やろうと思えばやれないことはない」と思います。

中心から離れたガートなら人もそんなにいないですし、水着で泳いでいる西洋人がいたほどです(ガンジス川でバタフライ!)。

とはいえ、ガンジス川の水には下水や工場排水も流れ込んでいます。

免疫のない日本人は体調が悪くなることもあるので、沐浴は自己責任でしてくださいね。

火葬場では人が焼かれ、ただ灰になっていた

バラナシのガートのうち火葬場として使われているのが、マニカルニカー・ガート(Manikarnika Ghat)とハリシュチャンドラ・ガート(Harishchandra Ghat)です。

マニカルニカー・ガートは人が多いらしいので、僕は比較的人の少ないハリシュチャンドラ・ガートの方へ行きました。

火葬場といっても日本のように建物があるわけではありません。

ただ川岸に薪が組まれ、運ばれてきた遺体が焼かれていくという、とても原始的なものです。

火葬場

僕は「人が焼かれているところを見るなんて、かなりショックを受けるんじゃないだろうか」と思っていたのですが、不思議とそこに衝撃はありませんでした。

もちろん、実際に見る光景は非常にショッキングなものではあります。

生身の人が焼かれ、砕かれた頭蓋骨から中身がドバッと出たときは「うわっ」と思いました。

野良犬が肉片を狙ってワンワン吠えてるし、お供えの花を食べに牛が群がってくるし、日本ではとうてい考えられない光景です。

でも、なんていうか、僕にはこれはとてもシンプルな姿に思えたんです。

周りにいる家族たちは泣き崩れるでもなく、ただじっと焼かれていく遺体を見守っています。

故人の財産によっては、遺体を焼くための薪が買えず、生焼けのままガンジス川に流されることもあるようです。

しかし、それに矛盾を感じるのではなく、僕がただひとつ思ったのは「人は死んだら灰になるんだな」ってことだけでした。

インドで生きている彼らも、日本で生きている僕も、死んだら灰になるだけ。

だからといって、「どうせ死ぬから」と投げやりになるわけでもない。

「死」はごく当たり前のものとして日常にあり、「生」もまたごく当たり前のものとして日常にあるわけです。

僕が見たのは、そういうごく当たり前のことでした。

僕はこんな「ごく当たり前のこと」を自分の目で確認したくて、ガンジス川までやってきたんじゃないかと思いました。

火葬場

小一時間、焼ける遺体を見ていたでしょうか。僕は再び川岸を歩き始めました。

歩いていると写真を売りつけてくる子供や、「ボートから火葬場の写真が撮れるよ」と声をかけてくる男たちがいます。

聖地といえどもカネに支配される、まさに聖と俗が入り混じった世界

でも、これが僕たちが生きている現実なのです。

ふとガンジス川を見ると、向こう岸へ渡ろうとするボートがいくつも連なっていました。

僕にはそのボートが、まるで三途の川を渡ろうとする小舟に見えました。

↓ガンジス川を渡るボート

こちら側は俗にまみれた現実世界。向こう側は苦しみのない安らぎの世界。

そんな聖と俗を飲み込みながら、ただゆったりと流れるガンジス川。

なぜヒンドゥー教徒はこの川を「聖なる河」と呼び、死んだら灰をガンジスに流すのか。その答えが分かった気がします。

そして僕はそれを見ながら、ただ「生きよう」とだけ思うのでした。

僕はこの現実の中で生きていこう。導き出された答えはとてもシンプルなものです。

「Bye Bye ガンジス 答えなど始めからない
あるのは今 確かに俺 ここに在る」

まさに長渕剛が「ガンジス」で唄ったのと同じ気持ちになったのでした。

「ガンジス」の歌詞はこちら

プージャ(礼拝)でまたもインド人にからまれる

日が暮れてくると、ガンジス川ではプージャという礼拝が行われます。

ドラの音が鳴り響き、周りはなんだか祭りっぽい雰囲気になってきました。

プージャー

お経のような音楽が流れ、礼拝の儀式が始まります。

↓プージャの様子

プージャが始まるとともに、人もどんどん増えてきました。もう見渡す限りのインド人。

ちなみにこの日、日本人は一人も見かけませんでした。

プージャ

物乞いの人もさらに増えてきます。

いつの間にか、ガートは人で埋め尽くされていました。

ガートのインド人

そして、またもインド人は一歩歩くごとに声をかけてくるんですよ!

無理矢理おでこに赤いものを塗ろうとしてくるおじいさん
(いや、いらないから)

いきなり手をつかんで、モミモミとハンドマッサージしだすおっさん
(ヤバい、これはお金をとるやつだ!と振りほどく)

しつこいから無視していると「なぜそんなに心を閉ざす!インド人そんなにうっとうしいの!?」と嘆くポーズをとる人。
(ええ、うっとうしいです!)

終始そんな感じで、ただ歩くだけでもくたびれるんです。。

なので、プージャの見学はそこそこにして、待ち合わせしたリキシャーマンとホテルに帰ることにしました。

サイクルリキシャで走る夜の街は、昼間よりもさらにエキサイティングです。

↓サイクルリキシャで走るバラナシの夜

ホテルに到着したら、リキシャーマンに料金を払うことになりました。

うーむ、相場的には100ルピー(約150円)ぐらいだろうし、往復だからとりあえず200ルピー払ってみるか。

200ルピー渡すと・・・

リキシャーマンリキシャーマン

ノー!私、あなたに気持ちを込めて送り届けた。あなたも私への気持ちが大事

僕

(やはりそうきたか・・・)じゃあ300ルピーでどう!?

リキシャーマンリキシャーマン

ノー!

僕

400ルピーは?

リキシャーマンリキシャーマン

ノー!

そのやり取りが続き、結局500ルピー(約750円)で折り合いがつきました。

サイクルリキシャで500ルピーはかなり高いです。。

でもま、初日の教訓としときます。ここから先はちゃんと乗る前に値段交渉しようと心に決めました。

それにしても、ホテルのポーターもリキシャーマンとつながってたんじゃないのか??

バラナシのホテル 観光に便利なエリアとおすすめホテル6選

夕食に本場のナンとカレーをいただく

夜の街を歩くのもしんどかったので、夕食は少し高いですがホテルでいただくことにしました。

ビールも飲みたかったですしね!(インドの街ではアルコールはほとんど売ってない)

ナンとビール。あー、一日の疲れが癒される~。

ナンとビール

ただし、ビールは310ルピー(約465円)と高いです。

ナンは日本の分厚いのと違って、薄くてペラペラ。日本のようなもっちりしたナンはあまり見かけないんですよね。

カレーは定番のチキンカレー。

チキンカレー

さすがに辛い!でもうまい!

辛さでビールが進みます。ひとまず本場のカレーを食べられて満足、満足。(^-^)

インド旅行で出てくる料理&知っておきたい食事の知識

ホテルの部屋ではお湯が出ずに、係の人を呼ぶという一幕もありました。

インドではお湯はいつでも出るものではなくて、時間とかいろいろ制限されているみたいですね。

というわけで、初日からいろいろとあったインド旅行記でした。

バラナシ1日目は念願のガンジス川を見れて、とても中身の濃い一日になりましたね。

明日はバラナシの街中を歩き回ってみたいと思います。

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次回予告

牛牛だらけのバラナシの街を歩くかずとん。

インドの庶民の暮らしはどんなものか、その現実を知るのだった。

【3日目・バラナシ】牛だらけ!バラナシの街中を探索してみた

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かずとんのインド旅行記【目次】

今回参加したツアー

ツアー行程

  • 2016年11月26日~12月3日(6泊8日)
  • デリー・バラナシ・アグラを巡る3都市周遊フリーツアー
  • ホテルは予約済み
  • 終日フリープラン(空港~ホテル間の移動のみ係員が同行)

インドツアー

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